英語では日本のことは「Japan(ジャパン)」。
ドイツ語では「Japan(ヤーパン)」、フランス語では「Japon(ジャポン)」、イタリア語では「Giappone(ジャポネ)」と読み方はほぼ一緒。
現地の人に言われれば、大体『日本』のことを言っているのはわかります。
ドイツ人はドイツのことを『Deutschland(ドイチュラント)』と呼びます。
日本語では『ドイツ』、英語では『Germany』、全然違いますよね。
では、フランス語、イタリア語では一体なんというのでしょうか?
調べてみたら、びっくりしました‼︎
フランス語では『Allemagne(アルマーニュ)』
イタリア語では『Germania(ゲルマニア)』
全く違う!
ドイツは、ヨーロッパの中心に存在し、かつ単一の民族よって長いこと統治された歴史がありません。
このため、地域によりさまざまな呼ばれ方をしているとのこと。
ヨーロッパで一番いろんな名前で呼ばれているそうです。
大きく6つのカテゴリーに分かれるので、一つずつ見ていきたいと思います。
1. 古高ドイツ語に由来
ドイツ語の『Deutschland』は、古高ドイツ語の『diutisc = 民衆』が由来となっています。
これらに属する呼び方をしているのは、
オランダ語『Duitsland』、ルクセンブルク語『Däitschland』など。
デンマーク語やスウェーデン語の『Tyskland』も古高ドイツ語から派生した呼び方らしいです。
2.ラテンゲルマニア(Germania)に由来
紀元前3世紀頃の古代ローマの地名に由来しています。
ローマ帝国はライン側西側をゲルマニア属州という名を与えていました。
イタリア語やルーマニア語では『Germania』と呼ばれています。
英語の『Germany』もこれが由来です。
3.アレマン人(Alemanni)が由来
ドイツ南西部のライン川上流にいたアレマン人を指していた言葉が由来。
今では、フランスのアルザス地方やドイツのバーデン=ビュルテンベルク州、スイスなどがある地域に住んでいました。
フランス語『Allmagne』、スペイン語『Alemania』、ポルトガル語『Alemanha』。
ドイツより西のヨーロッパで、Alemanniが起源となった読み方をされています。
面白いのは、トルコ語でも『Almanya』ということ。
4.サクソン人(Saxon)由来
ドイツ北西部の州 ニーダーザクセン地方に住んでいた、ゲルマン系部族の一つ、サクソン人が由来となりました。
エストニア語『Sakamma』、フィンランド語『Saksa』がこれにあたるそうです。
これはほんとに一部の地域でしか呼ばれていません。
5.スラブ祖語のNemetsが由来
チェコ語やポーランド語の属するスラブ語群のもとになったスラブ祖語の”しゃべられない人々” = 『nemets』が由来。
初めは、外国人のことをさしていましたが、後に隣国のドイツ人を指すだけになったとか。
もう一つの説では、ライン川をベースに住んでいた、ドイツ民族の『Nemetes』が語源になったとか。カエサルがそう呼んでいたとのこと。
チェコ語『Nemecko』、ポーランド語『Niemcy』、スロバキア語『Nemecko』となっています。
前者の説の方が正しそう?
6.由来が不明(バルト地域での呼び方)
ラトビア語『Vācija』、リトアニア語『Vokeitija』と呼んでいます。
幾つか説があるみたいで、一説には6世紀のスウェーデン部族Vogathsが由来とか。
別の説では西バルト海にいた『Vikings』が由来というのも。
他にもいくつか説があるそうです。
私たちは『ドイツ』と読んでいますが、実はこれ数ある言語の中でも、ドイツ語の『Deutschland』にかなり近い読み方でした。
ドイツ人の中には『Germany』と呼ばれることを嫌う人も。
そんな人には、「日本語ではドイツって言うんだよ。」と伝えると結構喜んでくれますよ。