ドイツで仕事をしていて思うこと。
日本以上に学歴社会だと感じることです。
特に博士号の力は計り知れません。
(私は博士号を持っていません。)
博士号を取得すると、名前の前に Dr.〇〇と冠がつきます。(〇〇は名字)
また、Mr.〇〇やMs.〇〇ではなく、Dr.〇〇と呼ばれるようになります。
このDr.は、お医者さんという意味ではなく、化学、物理学、生物学等(もちろん医学でも)で、博士過程を修了している意味です。
大事なことは、こういう人は必ず、Dr.〇〇と呼ばないといけないこと。
特に年配の方は注意が必要。Dr.に間違ってMr.〇〇なんて言うと、気分を害すること間違いなしです。
有名企業、特にドイツ系優良自動車メーカーや化学メーカーに、エンジニアとして就職するには、博士号を持っていることが、最低条件。
これらの会社に訪問すると、もらう名刺は、Dr.、Dr.、Dr.、のオンパレードです。
理系の博士号を取得するには最低11年必要だとか。
しかもその過程は非常に厳しく、リタイアする人も多いのだとか。同僚曰く、Aachen工科大学の卒業率は、3割ぐらいだと言っていました。
(中途退学率は、日本よりも高いと示すデータがあります。どれも数字がバラバラなので、どれが正しい数字かわかりませんが、日本よりも卒業が難しいことは確かです。)
たまにDr. Dr.〇〇なんて人もいます。
最初は、タイプミスかと思いましたが、ちゃんとしたタイトルです。
例えば、化学の博士号と物理学の博士号等、2つの博士号を持っていると、Dr. Dr.〇〇となります。
まだまだ上には上がいて、Prof.(教授)なんて人も。
働きながらProf.の称号を得る強者は、有名企業にはたくさんいらっしゃいます。
役員一覧をホームページで確認すると、すぐ見つかりますよ。
その他に、この博士号の重要性を確認できるのは、ホームページでの申込フォーム。
ホームページ上で何かを申し込む場合、ほぼ、名前や誕生日と並んで、「title」という空欄があります。
大抵はタブになっていて、「Dr.」や「Dr. Dr.」「Prof.」を選択できるようになってます。
博士号持っている人なんて少数派のはずなのに。。
そして、大物政治家にもたくさんのDr.が。
メルケル首相は、物理学の博士号をもっていらっしゃいます。
旦那様は教授。量子化学と計算化学の権威です。シュレリンガー方程式を、頭の中で計算できるほど、賢い人だとか。。
計算化学でドイツの産業界に多大な貢献をされた方らしいです。
ドイツ人の同僚が一生懸命説明してくれましたが、何を言ってるかほとんどわかりませんでした。笑
話がそれましたね。。
ドイツの閣僚の中には、博士論文に不正が見つかり、博士号を取り消されて辞任した、というニュースも。教育相が、辞任なんてことも。。
こちらは、同僚が、爆笑しながら教えてくれました。「教育相が学歴不正って、面白いだろ」って。
また、ペーパー博士号なんてものもあります。
お金を払えば、博士号が貰えるらしいです。
ある在ドイツ日系企業では、過去、ペーパー博士号がばれてクビになった人がいた、って話を聞いたこともあります。
博士号があるとないとでは給料とポジションが大きく違ったそうです。
博士号を持つと世界が変わると言っても言い過ぎではないのかも知れませんね。